革命するには目を閉じろ

令和元年、自分の足で日本を周る。

車のために道はある(後)

続きです🔙

 

4. 状態の悪い路面に対応できない

少し思い浮かべて頂きたいのですが、第二次大戦の序盤でドイツ🇩🇪が取った電撃戦というのがありましたよね。航空戦力で敵を削る→地上戦力の浸透で、フランス🇫🇷やポーランド🇵🇱を一気に攻め落とした戦術です。

(ポーランド国旗を逆にするとインドネシア🇮🇩になってしまうので注意。笑)

これが成功した背景には、ローマ帝国の時代より欧州の広範囲を繋いで発達してきた交通網が、産業革命により推進された帝国主義の影響下において、より多くの労働力(人)と資源(物)を流入させるために近代化したことがあるでしょう。もちろん戦力(人)と兵器(物)も短期間で侵攻することが可能になります…

 

それはそうと、ヨーロッパの地理的、歴史的な特徴と言えば、

・平らな地形で高低差があまり無い

・個人ではなく国が土地を所有している

ことが考えられます。

戦略的に見ると、森や丘のない平原は開けているがために奇襲ができませんので、側面と背面しか警戒する必要がありません。つまり後方を完全に確保してしまえば、警戒するのは前方だけで良いことになるので、非常に楽です。

実際にソヴィエトと不可侵条約を結んだのも、これを考慮してのことでしょう。後はモンゴル帝国よろしく、海が見えるまで突き進むのみです。

もし前方に森林や丘陵があって待ち伏せされていても、空から見れば敵に気付くことができますし、爆撃が失敗しても無線および爆音と爆煙で敵の場所は把握できますので、地上戦力は攻撃にも回避にも転じられます。畑?焼き払え🔥

なので制空権と燃料がある限り、従来の交通網で一気に都市まで突き進むことができてしまうのです。敵戦車は航空攻撃で撃破すれば済む話ですので、戦闘車両の武装榴弾砲や対空砲に対抗できるだけのもので十分となり、単純に武装が軽くなった分、進軍速度を上げられます。

 

翻ってロシア🇷🇺はどうでしょうか。広い湿地と厳しい気候により交通は阻まれ、ローマ帝国の文化圏からも当然外れています。都市と都市の間隔も大きく離れているので、焦土作戦を決行されようものなら孤立は必至でしょうし、戦力も戦車を中心とした組織ですので、戦車同士の戦闘もある程度覚悟しなければなりません。

もはやヨーロッパとは全く異なる性格を有していれば、電撃戦が通用しないことも考えられたはず。冬将軍を抜きにしても、やはり戦法そのものに限界があったと言うことでしょうねぇ。

 

そうそう、ヨーロッパの街並みってパッと見とても整っていますよね?大きな通りがいくつもあって、そこに整列するように建物が綺麗に収まっています。

これは土地の概念が日本と違い、国に属するものとして管理されているため。自分が住んでいる場所も、必要とされる場合は国に呆気なく接収されて用いられます。

その代わりに固定資産税は低いので、地方で取り沙汰されている空き家問題に介入しやすかったり、外国人による土地の買占めといった問題も発生しにくいので、有効に土地を使えますね…!

(↑大学院の先輩に教えてもらいました。税制の視点から解決できる課題は多そうです)

 

つまり大きな道路を通すのが簡単なので、区画の整った分かりやすい都市が完成するんですが、これ、攻める側⚔️からすれば非常に有難いと思いませんか…?

全体を包囲したければ中心部に繋がる主要道路を全て押さえるだけで簡単にできますし、丁寧な道路のお陰で遠慮なく一気に攻めて占領することもできます。

反対に守る側🛡からしてみると、見通しが良いせいで防衛に適した場所が少ないということになりますし、民間人を保護するためにも侵入されたら早々に降伏するか、それより前に撤退するしかないんですよね…。

同じようなことが昔の日本でもありましたね。日本で最も手の込んでいる都市と言えば京都です。その京も、南北朝時代には本来の都を取り返そうとする南朝に隙を突かれて何度も攻め落とされ(確か6回?)ましたが、同じように足利幕府に取り返されるというのが数十年も続きました。

まさにこういった都市は、攻めるとすぐに落とせてしまうのです。それも「都市全体を意識して丁寧に整備された、開放的な広い道路」があるから。

 

調子に乗って長くなってしまいましたが笑、これと逆のことを想像してもらいたいのです。

 

日本の地形と都市から考えられる道路をそれぞれ、

「山や川を避けるようにして通した、高低差と曲線の多い道路」

「旧来の区画を縫うようにして通した、閉塞感のある狭い道路」

としてまとめてみます。

前者に関しては、交通量が多い路線に隧道と橋を通すだけの拡張工事で対応できますので、問題なく解決できますね。

問題は後者。空襲で焼かれたり自然災害にやられたりしない限り、旧来の日本の道路は再編されることなく、そのまま運用され続けるでしょう。その道も分かりにくいし信号は多いし狭すぎるし…と、これでは自動車も自転車も関係なく、かなりの不便さを感じざるを得ません。

 

それだけで済むならいいのですが、自転車に乗っているのが馬鹿らしくなってくるような、格差を感じる要素があります。

少しだけ海外を引き合いに出させてもらうと、ヨーロッパ(特に北欧)では、自然に配慮したものが推奨されている通り、自転車もまた環境に良い交通手段として重要視されています。そのため、車だけでなく自転車にも走りやすいような道路になっていて、例えば自転車用の車線があり、そこを一定の速度で走ると信号が常に青のままで行くことも可能。あちらでは自転車もちゃんと「車」に含まれる扱いなので安心です。

そして残念かどうかはさておき、日本では自転車は「車」にこそ分類されているものの、実質的にはそれとして扱われていません。

(あるいは日本のモーター産業が偉大であることの裏返しとも取れるので何とも言えないですが…)

どれだけ路面の状態が悪い道路であっても、白線を境にして観察してみると、まるで具合が違うのが分かると思います。明らかに車道の方がずっと状態が良いのに比べて、路側帯は狭いしガタガタすぎて目も当てられないことも。歩道は更に状態が悪いのでどうしようもないです🤤

安全かつ安定するのは白線の上、そこを頑張って通ることしか残されていないのですが、そのラインに乗せ続けることにエネルギーを吸われるのも…なんだかなぁ…と。

 

先程も述べた通り、状態の悪い道路でも通ることはできますが、そのためには速度が犠牲になってしまいます。高速域での性能が武器であるRBで都市の一般道なんかに突っ込むのは、ロシアの土地に電撃戦を仕掛けに行くのと同じようなものなのかも知れません。

これは何も日本を非難しているわけではなく、ただ日本は自転車を前提とした環境には仕上がってないんだろうな〜という個人的な認識を吐き出しただけです。環境意識や行動意識の違い、あるいは歴史や経済の違いと捉えても面白いですね。

 

とまあ、全体的に長くなってしまいましたが、以上がRBに乗りにくいと感じた理由でした。皆さんも目的に応じた自転車が見つかればいいですね🥂

 

自転車は車に非ず、そしてHPT+4WD以外もクルマに非ず…やっと理解したぜ、車道は四駆専用だったんだ!